私が過去に行った猫の不妊手術のデータを紹介いたします。実際に不妊手術を行っていても飼い主さんが不特定の場合、また生年月日が不明な猫および雄猫はデータとしては除外してあります。
データは1989年~2004年まで(36年~21年前)の16年間です。なお、上記からデータとしては862頭は飼い猫です。
862頭中、和猫*は822頭(95.4%)、純粋種40頭(4.6%)です。この時代は純粋種は少なかったですね。
*日本猫・雑種というような呼び方から、最近では和猫(わねこ)というような表現がでてきました。この呼び名のほうがしっくりくるように思いますね。
飼い主さんの猫の不妊手術の目的としては、いわゆる不妊目的が825頭(95.7%)。生殖器や繁殖関連の病気のため仕方なく、本意ではない不妊手術が37頭(4.3%)でした。
驚くことに862頭中、妊娠中のものが208頭(24.0%)、つまり約4頭に1頭が妊娠していたことになります。このころの猫は室内外自由でしたので、こういうデータになったのだと思います。
本件は日本獣医学会で報告しました。
猫の繁殖生理学的なデータはたくさん持っているのですが、飼い主様へは、わかりやすいのはこのあたりだと思いましたので報告しました。
詳細は今年の『ねこの集会』で報告予定です。