タロ兄ちゃんにしかられた僕

佳彦パパが高校生のときの先生の奥様(故人)は、パパが新津市(現在の秋葉区)で動物病院を開院したとき、すごく喜んでくれたそうだ。犬と複数の猫を飼育していたそうだ。

奥様は趣味で毛糸の編み物をして、知人にプレゼントして喜んでもらっていたそうだ。パパも写真にでているようなブランケットをはじめ、たくさんいただいたそうだ。

パパは寒くなってきたので、猫たちにどうぞということで、毛糸で編んだブランケットをパパからもらった。

タロ兄ちゃんだけパパから自分がもらったと勘違いしたらしく、タロ兄ちゃんがご飯を食べているときに僕、さぶ吉がその上にすわったらものすごくしかられた。

『こら、どけ。そこは俺様の寝床だ』『俺様がパパからもらったベッドだ』

僕は2歳でタロ兄ちゃんが10歳で、体の大きさが違うのが分かると思う。僕はまだ子どもなのに。

タロ兄ちゃんはとってもいい兄貴。でもパパのことになると自分が独占したいみたい、みんなのパパなのに。

ブランケットの上で座っている僕をしかるタロ兄ちゃん 2015年

タロ兄ちゃんの背中の毛は逆立っているのが分かるでしょ。ゴジラみたいだ。こんなにしかることはないのに。タロ兄ちゃんにしかられたのは、これがはじめてで最後だった。

タロ兄ちゃんはパパのものは全部が自分のもので、他の猫たちには触らせなかった。

パパと寝るときもタロ兄ちゃんが布団のなかで、パパのお腹の左横、布団の外に寝るときはパパの顔の左横、つまり肩のあたりと決まっていた。僕も含めてこのとき猫は5頭いたけど、タロ兄ちゃん以外の猫は、布団の上でパパの足元と決まっていた。

僕もパパと一緒に寝たかった。いま猫は僕一人なので、右肩あたりが僕の定位置となっている。

たまにタロ兄ちゃんが見に来ているような気がする。

小嶋さぶ吉通信2.