いまとなっては古い話であるが、約9年前の2013年12月、東京の有楽町で動物看護師の公的な資格を格上げして国家資格化する有識者会議が開催された日である。出席者約10名で、大学や専門学校の教員、開業獣医師として私が参加していた。
当日の会議は有楽町で開催され、朝から夕方までの開催予定だったが、早く終わり午後3時ころには外にでることができた。
銀座通りを歩き、まず山野楽器店でCDを買い求め、銀座伊東屋で文具を買って歩いていると、なんと銀座3丁目あたりで大勢の人だかりがあり、カメラやスマホを構えていたので、芸能人がいるのだなと思い、私も近寄ってみると、モニュメントの上に数頭の猫がいるではないか。
12月下旬としては暖かい日だったが銀座3丁目に猫がいる。
私は驚きながらも、当日は人と会う約束はなかったので、じっと見ていた。
私には芸能人よりもこの猫たちと誰がこんなことをしているのかが興味があった。
猫が自身で上れる高さではないので、きっと誰かが現れるはずだ。
銀座にウルトラマンやゴジラが現れたようにワクワク感がしたのを、いまでも覚えている。
9年前のこのころには、そろそろ『新潟 ねこの病院』の開院に向けて行動しようかと思っていた時期でもあった。
不思議なことに猫のことを考えていると、猫の面白そうな話が舞い込んでくる。楽しい。
ずっとその場所で、張り込みをしていると、暗くなりはじめ銀座の街灯がつき始めると飼い主らしき人が現れた。
暗かったのでよく見えなかったが60~70歳くらいの男性だった。私が思っていたとおりだった。
私が勝手に思うには、その飼い主と思われる人は、猫を銀座3丁目のモニュメントの上に置くことにより、注目を集め、見ている人たちがどんな反応をするのかを、少し離れた場所から楽しんでいたのかなと思った。本人ではないので本当のことは不明。
その後、1~2カ月くらいして家庭画報(世界文化社)をみていたら、銀座に現れた猫の記事として、掲載されていた。
写真の整理をしていたら出てきたので書いてみた。
さぶ吉が1歳半、タロとジロが10歳のころである。