35年くらい前の話だがノルウェーからグリーンランド・ドッグという犬を、大学時代の恩師である教授(故人・獣医臨床繁殖学)と輸入したことがあった。教授と二人で5月ころだと思うが、成田空港まで迎えに行った。同腹犬ではない雄と雌を各1頭であった。日本にはまだいない犬種だったと思う(今もみたことがない)。ハスキー犬が流行する少し前であった。犬の特徴は、ハスキー犬と秋田犬に似たイメージであった。教授が雄で私が雌を飼育した。教授とは犬のことで頻繁に連絡を取り合い、2回出産を経験して、教授や私の知人等に引き取られていった。やさしい目をした、もの静かな犬で、晩年は私の院長室の椅子の下でゆったりと過ごしていた。いまにして思えば、犬ぞりしてみたかったな。
子供のころから雑種犬や柴犬など中型犬を飼ってきた。大人になったら被毛の短い大型犬を飼ってみたいと思っていた。その後、南極で生き延びたタロとジロという犬がいたという話を聞いたことがあり、今度は大人になったら北方犬つまり、エスキモー犬やカラフト犬を飼いたいと思っていた。実際にはそういうわけにもいかず、前から目をつけていたグリーンランド・ドックになった。
映画で南極犬物語が放映されると何回もみにいき、テレビでも毎回みた。犬でも猫でも雄の兄弟を2頭飼い、タロとジロという名前を付けようとひそかに誰にも言わず、計画していた。
ついに、やっと、18年前にその日が訪れ、茶虎色の雄猫2頭を飼うことになり、タロとジロと名づけた。この話は、また機会をみて、してみたい。
母親から授乳している、右から2番目の肩の部分が白い模様の犬が私のところにきた犬。
この写真はノルウェーから送られてきた(当時は手紙)。
晩年のグリーンランド・ドッグ(雌)
このころは、バブルがはじける少し前で、犬も猫も家庭で繁殖をしている人が結構いた。帝王切開や誤交配(望まれない妊娠)の対応が多かった時代でもあった。