骨折と脱臼、じん帯の損傷 犬と猫の比較
猫は身体能力が高い。
人や人以外の動物に比べ高いところへ上がれる。高いところから降りることができる。体が柔らかいなど。
20年くらい前のことで例外的なことではあるが、マンションの7階また4階から落ちても擦り傷はあったが、ほとんど無傷の猫を2例経験している。
通常はこういうことはないので、マネしないように。
通常は降りるときには手(前肢)を着こうとする。
骨折
骨折が多いのはトイプードル、ポメラニアンなどの犬種、栄養状態にかたよりのある犬と猫(やせている・太っている)に多い傾向がある。
猫では交通事故で骨盤や後肢(後ろ足)の骨折が多い。室内飼育の猫には交通事故はみられないが最近では自宅で高いところからの落下が散発的にみられる。
参考
あえて猫ではなく、トイプードル(犬)の手術後の写真。
両手の同時骨折のため同時に手術をした。前肢がつけないため、しばらくは腰を支えてやらないと立てない。この症例は15年くらい前。
輸液(ワイン色のバンテージ)は前肢がふさがっているので後ろ足(右後肢)でしている。
右手(右前肢)の橈骨・尺骨骨折のレントゲン写真は柴犬(10年くらい前)。
脱臼
脱臼が多くみられる部位は犬では膝、猫では大腿骨頭。
20年くらい前までは猫の飼育は50%が室内外自由な生活形態だったため、交通事故による骨折や脱臼の手術が多かった。今は室内飼育が多くを占めるため、このような手術は減少した。喜ばしいことである。
前十字靭帯(ゼンジュウジジンタイ)の断裂および損傷
犬では結構みられる。
犬では手術による整復が多いが、12㎏以下の体重の犬は内科的な治療でも完治することがある。肥満犬や大型犬は内科的な治療では完治は難しい。
いっぽう、猫では最近(この10年くらい)前十字靭帯の断裂また損傷がみられるようになってきた。体重過多の猫に多い。
当院では最近、このような症例が多いように感じる。
猫では、治療に対して食事療法など飼い主さんの協力が得られれば、治療効果は上がる。しかし、安静にさせておくことが難しい。
変形性関節症 / 骨軟骨異形成症
最近、猫で多くみられる症例である。
日本猫
スコティッシュフォールド
猫での治療は内科治療とリハビリが主体。
いずれにせよ猫では中高齢猫の増加、また猫種の特異性から多くなってきている。
内科疾患でも外科疾患でも適正な体重の猫は治癒率が高い。